先日初めて来られた20代の男性は、2か月前から急に右の背部が痛くなってしまいました。特に思い当る原因はなし。普段は多少首のコリが気になるぐらいで背部が痛くなることなんかありませんでした。

うちに来られる前にはまずマッサージに3回通ってみたけどまったく効果なし、整体にも4回通ってみたけどこれも効果なし、最後にはりに5回通っていくらかマシになったとのこと。

問診時にこの話を聴いて思ったことは、内臓からの痛みです。以前左側でしたが背部の痛みがなかなか治らないという方が来まして、数回治療してみたが今一つだったので病院に行ってもらったところマイコプラズマという肺炎でした。

この方ももしかしたらと思い、マイコプラズマのことをお話したら、一番初めに内科に受診していて、特に問題なしと言われていました。

となると、やはり筋肉系神経系の痛みです。
痛みの特徴は身体の動作時、身体をねじったり、曲げると痛み、深呼吸でもひびきます。

痛みがある場所を確認したところ、右背部の最長筋、腸肋筋です。

この筋肉が引き延ばされたり、力をひれた時に痛みが現れます。

ちなみに深呼吸の時の痛みで考えられるのが、吸気の時というのは肋骨が広がりますが、この時に筋肉が刺激をされるから痛むのか、呼吸筋である斜角筋が緊張し痛みが飛んでいるのか、この2パターンが考えられます。

まずはじめに治療したところが斜角筋です。

斜角筋を緩めて深呼吸してもらったら、呼吸時の痛みは軽減しましたが、身体の動作による痛みは変わりませんでした。

そして次に行ったのは、最長筋と腸肋筋の筋膜の調整です。マッサージのように筋肉をほぐすのではなく、筋膜を整えてみました。すると痛みは半減してくれました。となるとこの人の痛みは筋膜の痛みで筋肉をほぐしても改善できるものではありませんでした。

そして、今度は身体全体を見てみると、右半身のバランスが悪いことと、頸椎に問題が見られました。これらも放っておくとまた悪さをしてくるのでしっかりと調整しておきました。

最後に背部にキネシオテープを貼ったら、ほとんど痛みはなくなってくれました。

明日が2回目の予約なので経過はまだわかりませんが、きっとしっかり改善してくれるでしょう。

よく当院にはいろんなところに行ったけど改善しなかったという方がたくさん来られます。
皆さん始めは『どうせここでも治らないだろう』と思っていますが、治る兆しが見えると安心し笑顔で帰宅されます。

その瞬間が僕にとって一番この仕事をしていてよかったなと感じる時です。